化学反応と超音波キャビティーション・ ソノケミストリー
超音波で発生するキャビティーションを 化学反応の促進に使用すべきと 訴え初めて20年(by shibano)。なかなか お客様に 賛同を得ることが出来なかった。わずかな私の成功事例などからでも 明らかに推論できる超音波エッチング、超音波有機合成の可能性など、機会あれば 訴えてきたつもりだが、いつも大きな壁にぶつかってきた。それは、各企業の存在する超音波と化学反応にまつわる無数の失敗事例である。ある大手メーカーの生産技術では、確固とした失敗の実験結果とデータがあり、私に賛同した若手技術者の提案は、部内で 一蹴されて潰えた。
原因は、いつもひとつ。どこでも 実験失敗の原因は 一つである。
超音波で発生するキャビティーに関する悲しいくらいの無理解が 原因である。
超音波に由来するキャビテーションを利用した化学作用をソノケミストリーと言うなら、多くの現場での期待したソノケミストリーへの この20年の挫折事例の多くの原因は、あきらかに キャビティーションの発生原理への無理解に起因する。
以前、アメリカで行われた、超音波により常温核融合試験の システムを 入手したことがあるが、これも検証に堪えない超音波を理解していないものが組み上げたシステムだった。
近年、ソノケミストリーが、ひそかなブームだと 来社されたお客様が 言われる。それであれば、ソノケミストリーを志す技術者、研究者の方に 期待する。ぜひとも 超音波を理解していただきたい。発生させるキャビティーを理解していただきたい。そのうえで ぜひとも、超音波の新しい分野を 大きく切り開いていただきたい。ソノケミストリーの未来は 明るい。
by shibano
(2012.01.28)